柳沢厚生労働大臣ピンチ

 面倒だから記事は挙げないけれど、私の想像以上に、柳沢さんの「機械」発言の波紋が大きいようですね。私が二日前に、ここにアップしたときは、本気で「辞めてほしい」と思っていたのですが、ここまでヒートアップするとは思いませんでした。どうやら与党からも辞任論が出ているっぽいですね。

 柳沢発言 政府幕引き狙うが、適格性に疑問の声やまず
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070130-00000003-maip-pol

>「会場の理解が十分でないように感じた。経済に携わってきたのでモノを生産する例なら(分かりやすい)との思いがよぎった」

 悪意の無いのは理解した(ていうか、最初からそう思ってたけど)。だから、倫理的に責め立てようとは思いません。でも、やっぱり辞めて欲しいな。この釈明は、「厚生労働大臣に向いてない」ということを、自ら白状しているようなもんだから。

 すなわち、経済畑にいたから、完全に経済の思考が(悪い意味で)染みついちゃってるわけですね。でも、厚生労働大臣が、人間の出産を、「機械でモノを生産する」に例えるようなセンスでは困ります。子を産む女性・現場の労働者に対して配慮する能力が無い人が、国民の生活を守っていけるとは思えないのです。

 それに、ホワイトカラーエグゼプション(WCE)の件もあります。「経済の発想を、厚生労働の職務にまで持ち込んでいるな」というのがわかるので、是非とも、この人には辞めて欲しいのです。

◇      ◇      ◇      ◇


 WCEの件、そして今回の「産む機械」発言から、私の疑問は強まる一方。

 「何で人間は生きてるの? 何で人間は働くの?」

 数年前まで、私は、「幸せになるため」だと思っていました。勿論、巨大な幸せでなくて良い。ささやかな幸せで構わない。

 でも、今の日本で「ささやかな幸せ」なんてものが、なかなか実現しにくくなっている。別に「格差」はあってもいいんだ。底辺の人が「ささやかな幸せ」を得られるのであれば、上は、どんなに裕福でも構わない。でも、現実はそうではないよね。

 多くの労働者は、会社に「働く機械」扱いされている。そして、口が滑ったとはいえ、「産む機械」発言。下っ端は、一部の裕福な人間を、より裕福にさせるための機械なのか?

 携帯でどこでも連絡がとれるようになり、飛行機や新幹線で、どこへでも行けるようになり、量販店で家電製品が安く買えるようになった。でも、それで、私達は幸せになったのか? 仕事が効率化したのに、かえって忙しくなるのは何で?

 そして、「あるある」や「不二家」のような不祥事。会社のためなら、下っ端は、反社会的な行為をもやらされてしまう。自らの良心をも殺して。

 こういうと、すぐ「文句があるなら起業しろ」と言われる。でも、そんなに簡単に起業できたら、世話ないじゃん。それこそ、機械がモノを作るのとは違うんだからさ。世の大半の人は、起業して成功するあてもない「平凡な人」に過ぎないんだよ。

 平凡な人が幸せになるためには、「ささやかな幸せ」という選択肢しか無いんだけど、それをも犠牲にして、全てを会社に捧げるようでなくては、生きる資格すらないの?

 とにかく、なんでも、会社、会社。「日本人は水と安全はタダだと思っている」に、一つ追加。「日本人は水と安全と、定時外の社員の努力はタダだと思っている」に変更しよう。これは経営者・労働者、関係無くね。

2007年01月31日(水) | 03:04:27 | 時事問題

いい大人が若者言葉を使わない理由

 実は、私の専門(というほど優れた研究をしているわけではないが)は、国語学・日本語学なので、こういう記事については、積極的にコメントをつけたくなります。


30歳代は若者語の使用に批判的?…山口大学生が実態調査
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/ne_07012903.htm

 アンケートをとる、というのは、簡単なようで、結構、難しい。全国くまなく、千人以上にアンケートをとったのは、素晴らしい。出てきたアンケートの結果も非常に興味深い。

 ただし、結果の解釈の面については、私と違うなぁ。自分は三十代なので、二十代の時との違いが一番よくわかる。

 要するに「会話の質」の問題なんだよね。まず、日常の大部分を過ごす職場の中では、これらの俗語を使用する機会は、ほとんどありません。仕事が上手くいっていないときに、近い世代か部下に対して「やばい」と形容するくらい。

 職場外でも同様。若い頃みたいに、流行りの芸能人の話とか、憧れの異性の話とか、そういうキャピキャピした話題は、しなくなってくる。代わりに、職場の話とか、子供の話とか、人間ドッグの話とか、生活に密着した話題が多くなってくる。良くも悪くも会話が落ち着いてくるんだよね。そういう会話で、若者言葉なんか使うと、かえって不自然です。

 もう一つ。調査中の若者言葉は、現在の十〜二十代で流行っている言葉を中心に採取されています(一部、三十代の人が若者だった頃から続いている言葉もありますが)。現在の若者言葉が、十〜二十代の人に使用が集中して、そこから遠ざかるにつれ、使用頻度が落ちるのは当然過ぎると思うのですが。

 若者言葉を上の年代の人が使わないのは、批判の意図があるわけではありません。自分が使わない結果として、現在の若者言葉を批判する、ということはあるでしょうが、まず批判の意図が先だって若者言葉を使わない、という解釈は、話が逆だと思います。

◇      ◇      ◇      ◇


 ちなみにですね、私の文章で、常体(である調)と敬体(ですます調)が混ざっているのは、わざとです。ていうか、その時その時の興に任せて書いた文を、推敲時に改めることはしないので、このようになっています。「文章の書き方」のような、お手本や規範へのアンチ心があるのです。

2007年01月30日(火) | 07:25:16 | 日本語・言葉

意外に堅調? 愛国心

教育基本法の「愛国心」、「評価」は67%…読売調査
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070127-00000011-yom-pol

 教育基本法の改定は、これまで保守系論者が望んできた大きなテーマですね。

 「愛国心」にしろ、基本法全体にしろ、「意外に賛成者が多いな」と、大抵の人は思うのではないでしょうか? 特に「愛国」という語は、従来、右翼というイメージが強かったけど、そんなアレルギーを持っている人は、実は少なくなっているのかもしれません。「国を愛する心」という言葉でお茶を濁す必要は、なかったということでしょうか。

 個人的には、殊更に、愛国を強調した教育を行う必要は無いと思う。強制されて身につくものでもないしね。過去の日本文化に積極的に触れさせるとか、すれば良いのではないかと思う。

 あと、愛国心を持てるかどうかは、結局、国民が日本で幸福に暮らせるかが大事ですから、法律が通過したからといって、安倍政権には、これで安心して欲しくはないですね。

 「無信不立」(信無くば立たず)は、小泉前首相の座右の銘ですが、実は私はあまり好きでない言葉。何故か?

 子貢問政。子曰、足食、足兵、民信之矣。
 子貢曰、必不得已而去、於斯三者何先。
 曰、去兵。子貢曰、必不得已而去、於斯二者何先。
 曰、去食。自古皆有死。民無信不立。

 子貢は政治を問うた。孔「食事を足らしめ、兵を足らしめ、民が信じてくれること」
 貢「どれか一つを除くとしたら、この三者のうちどれ?」
 孔「兵だ」 貢「どれか一つを除くとしたら、残りの二者のうちどれ?」
 孔「食だ。昔から人は皆死ぬもの。人民の信用がなくてはどうしようもないしな」

 兵はともかく、食と信は、順序が逆でしょう。食べるものもなく、ひもじい思いをしながら、信も糞も無い、と思うわけですよ。為政者が「人間は皆死ぬもの。食はともかく、まずは信用から」とか言ってきたら、ぶっとばしたくなるでしょう。

 まあ、それでも「無信不立」の部分だけみれば、確かに言っている事は正しいので、これを座右の銘にすることは無問題です…………が、まずは食あってこその信。そこは勘違いして欲しくないな。愛国心も、国民を食わせるところから。日本が北朝鮮みたいになったら最悪だしね。(以上、以前mixiで書いたことの焼き直し)

2007年01月29日(月) | 00:46:14 | 時事問題

柳沢厚労相は、大臣を辞めてほしい

女性は「産む機械、装置」 松江市で柳沢厚労相
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20070127&j=0022&k=200701271913
「失礼なので取り消した」 柳沢厚労相
http://www.47news.jp/CN/200701/CN2007012701000401.html
Japan women called child machines
Japan's health minister has referred to women as "birth-giving machines" in a speech to a local political meeting.
Japan minister slammed for calling women 'child-bearing machines'
http://news.yahoo.com/s/afp/20070128/wl_asia_afp/
afplifestylejapandemographywomenpopulationsociety;_ylt=
Agzr7gtfuCBKGxOhxSJmRJdvaA8F;_ylu=X3oDMTA0cDJlYmhvBHNlYwM-

Reports: Japan's health minister calls women 'birth-giving machines'
http://www.iht.com/articles/ap/2007/01/28/asia/AS-GEN-Japan-Health-Minister.php



 この人には、是非とも、厚労大臣を辞めて欲しい。

 男女の役割がどーのこーのという話は、ここでは触れない。しかし、人間の出産を、機械や装置に例えたことは、大々的に問題にしたい。

 いや、人間を機械に例えること自体が悪いのではない。純粋な自然科学の問題としてなら、有り得る。例えば、「人間の手を一種の機械としてみると、その精密性には一般の機械に劣りますが、多機能性においては、これに勝るものはありません」というようなこと。

 しかし、「子供を産む」という、人間としての生き方・価値観が反映される、非常に社会的な行動を機械に当てはめたのは、徹底的にまずい。単なる例え話であっても、血の通った人間の行為を、機械呼ばわりされたら、ある程度の反発があって当然。

 確かに報道の揚げ足取りなのではあるが、「生めよ増やせよ」という文脈中なもんだから、「女=出産マシーン」といったニュアンスを感じ取ってしまうのである。それでは、男は「仕事マシーン」「納税マシーン」なのかと、むかつく人も多かろう(実際、そのような屈辱的な扱いを受けている人でもね)。

 かけまくも厚労大臣ともあろう御方が、子供を産み・育てる人達に対して、そこそこの敬意を持ち合わせていれば、人の出産を機械に例えるなんて無神経なことはしないと思う。まあ、完全な無神経じゃなかったから、言った後で取り繕ったんだろうが、今後はどうしても「ああ、この人は、普段から、国民をこういう目で見ていたんだな」などと、色目が抜けないかも。

 とにかく、少子化問題も、労働問題も、ものすごくデリケートな話。これらに対して、気配りの欠けている人には、厚労大臣をやって欲しくない。

◇      ◇      ◇      ◇

 WCEその他労働問題のこともあるし、次の参議院選では、少くとも自民は有り得ないかな(どこの党に投票するかは、今後の成り行き次第だが、共産が有力な選択肢になっている。ちなみに社民は問題外)。野党は、郵政選挙の時の自民みたいに、相手が何と言おうと、徹底的に労働問題を争点にすべき。

 前回に続けて、辛気くさい話になってしまってすみません。実は、私自身は、今、ものすごく恵まれた環境で仕事をしています。それは、今の部署が、たまたま交代制勤務の箇所だからなのですが、他の部署へ移れば、再び激務が待っています。今の小康状態を永く保とうとすると、結婚も子供も考えてしまいます。すみません、甲斐性なしで。

 まあ、それでも自分は好き勝手やれて、恵まれ過ぎているのですが、会社の人、同年代の知り合い、多くの人が会社に酷使されて、疲れ切っています。なのに労働賃金は護摩化されていて…。経済的にも精神的にも、子供を育てるのが難しい状況は、よそながらにも分かるので、上の記事が単なる例え話だと分かっていても、むかついてむかついて…。


2007年01月28日(日) | 13:09:53 | 時事問題

blog開設 ホワイトカラーエグゼプション

 以前の「ネット発」の読者で、今、ここを見ている方は、どのくらいおられるでしょうか? どうも私は気まぐれ者で、日記を書いたり、止めたり、一度ペースが崩れると、なかなか一定の調子で書き続ける、というのが出来ません。

 また、別口でmixiにも紹介されたのですが、ああいう閉じたコミュニティでやっていくのにも向いていないようです。ハッキリ言ってしまえば、あの「お友達システム」が馬鹿らしくて、ちっとも乗り気にならんのです。

 というわけで、ここ一年は、全く御無沙汰してました。ニュースなどにも触れることも、あまりなかったし。でも何も考えてなかった訳でもありません。ただ、書くのが、ちょっと億劫だっただけ。

 でも、最近、また書きたいな、と思うようになってきて……でも、以前のHPは、随分と間を開けてしまって、再び書き出すためには、結構なメンテナンスが必要なんですよね。それに、いつまでも、あのHPスペースを借りられる訳でもないし……それで、思い切ってblog移行してしまったわけです。以前のHPも、いつか半永久的に借りれる所に引っ越します。

◇      ◇      ◇      ◇

 さて私が、ここ一年ウオッチしてきた社会問題のうち、最大のテーマは、やはり労働問題ですね。これが、そこそこ解決されるだけで、かなり「美しい国」に近づくと思うのですが、どうも政府のやることは、経団連にキンタマを捕まれているのか、全く頓珍漢です。そう、ホワイトカラーエグゼンプション(以下、WCE)のことです。もう言われ尽くされたことでしょうが、自分も何か言わないと気が済まない(だから、日記を再開したともいえる)。

 WCEの建前として、例えば、「裁量に応じて働くことができれば、成果を調節して、各個人にとって適切な働き方を選択することができるんだよ」といった感じでしょうか。他にも、様々な甘言を、政府や経営者団体は持ち出してくる。

 でも、こんな美辞麗句に欺される労働者など、あまりいないといってよいでしょう。正直言えば、私は提言を読むのも面倒だし、全てを理解しているわけでもない。でも、わかるんです、直感で。

 もちろん、適切な運用がなされれば、WCEは良い制度になり得ることは認めます。裁量に応じて働くことが理想的になされれば、ある意味、ホワイトカラー達の天国といってよいと思います。でも、違法残業真っ盛りの日本では、まず悪用されるケースが圧倒的多数なのは、火を見るより明らか。

 WCEは、年収でいえば一千万円以上くらい、役職でいえば、大会社の部長くらい、つまり、労働を裁量する権限のある人達に対して、適用されるべきものでしょう。

 それなのに、経団連の提言は年収400万円。大企業の新入社員か、中堅企業の係長・主任クラスぐらい? 400万円以上の人全員ではないにせよ、こんな下っ端の人達(私も含む)への適用にまで、適用範囲を広げたがっているなんて、理念無視で人件費を削減したがっているのは、よ〜くわかる。

 「残業代ゼロ法案」というニックネームは、本来のWCEの趣旨から全くかけ離れている、という批判があります。確かにその通りです。でも、話を持ち出してきた経団連自身が、本来の趣旨を無視して、「残業代抑制に利用しよう」と考えているのなら、このような表現は、当然出てきて然るべきもの。成果主義が、単なる人件費抑制の口実に堕した前科もあります。全然、信用されていないんじゃないですか?

 まあ、以上述べてきたことは、素人の直感ですので、正しさは保証できませんが。正確な情報は、ちゃんとしたサイトで調べて下さいね。

2007年01月28日(日) | 00:45:02 | 時事問題

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