比例区の予想の後は、選挙区の予想。
参議院の選挙区は、都道府県単位に組まれており、人口の多い所ほど、割当人数も多くなっている。具体的には、
- 5人区(計5):東京
- 3人区(計15):埼玉、千葉、神奈川、愛知、大阪
- 2人区(計24):北海道、宮城、福島、新潟、茨城、長野、静岡、岐阜、京都、兵庫、広島、福岡
- 1人区(計29)青森、岩手、秋田、山形、栃木、群馬、山梨、富山、石川、福井、滋賀、三重、奈良、和歌山、岡山、鳥取、島根、山口、香川、徳島、愛媛、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄
二大政党制の流れにあって、複数区は自民・民主が議席を分け合うことが多く、あまり差がつかない。しかし1人区は、事実上の小選挙区であり、風向きによっては、自民・民主のどちらかが一方的に独占することも有り得る。割当数が多いこともあって、参議院の帰趨を決めるのは、一人区であると言われているのは御存知の通り。
※逆に、2人区では、自民・民主が議席を分け合うことが最初から決定している箇所が多い、。そのため、1人区よりも人口は多いのに、選挙への影響がほとんどなく、各党も力を入れていない。将来、修正を要する点であろう。
複数区は、議席の予想が1人区よりは容易なので、まずは複数区から見ていくことにしよう。
====5人区====
【東京】
首都決戦という点、定数が多く、小政党や無所属にもチャンスがあるという点で、決戦規模が最大という点で、最注目区の一つ。前回まで定数は4人だったが、今回からは5人に増えたためか、候補者数も前回より激増、20人に。
<候補者(太字は、多少なりとも当選の可能性がある候補者)>
- 自民党 : 保坂三蔵(現)、丸川珠代
- 民主党 : 鈴木寛(現)、大河原雅子
- 公明党 : 山口那津男(現)
- 社民党 : 杉浦ひとみ
- 共産党 : 田村智子
- 国民新党: 中村慶一郎
- 諸派 : 黒川紀章(共生新党)、須田喜久夫(議員を半減させる会)、又吉光雄(世界経済共同体党)、鈴木信行(維新政党・新風)、マック赤坂(日本スマイル党)、和合秀典(新党 フリーウェイクラブ)
- 無所属 : 川田 龍平、新井てつお、ドクター・ 中松、沢田哲夫、神田敏晶、東條由布子
<1回前(平成16年・定数4)>
1,014,293 中川雅治 自新○
991,477 小川敏夫 民現○
924,643 蓮舫 民新○
827,091 沢雄二 公新○
596,272 青島幸男 無元×
453,287 今村順一郎 共新×
381,771 増元照明 無新×
176,289 中川直人 社新×
165,551 上田哲 無元×
(以下略)
<2回前(平成13年・定数4)>
1,407,437 保坂三蔵 自前○
881,314 山口那津男 公新○
759,110 鈴木寛 民新○
630,196 緒方靖夫 共新○
361,965 遠藤宣彦 由新×
210,573 畑恵 無前×
209,806 上田哲 無元×
167,566 黒岩秩子 無前×
159,226 広田貞治 社新×
(以下略)
<3回前(平成10年・定数4)>
1,026,797 小川敏夫 民○
971,185 浜四津敏子 公○
896,890 井上美代 共○
719,203 中村敦夫 無○
623,483 小野清子 自×
451,016 塚原宏司 自×
227,790 上田哲 無×
204,479 岩崎駿介 社×
(以下略)
まず、民主は候補を二人擁立している。前回は、自民の逆風により、小川、蓮舫が共に90万超えの大勝利。今回も同様の環境にあり、民主は2人とも当選するものとみる。課題は票割り。現職の鈴木は通産省出身で、教育、ITに造詣が深い。大河原は生活者ネット出身。選対は、異なる2つのタイプを、上手く票割りすることに腐心していることであろう。
公明は現職の山口。前回の得票が82万しかないのが気がかりだが、当選はするだろう。自民の二人擁立で票が分散したり、定数も増えて当選ラインが下がっているのに、その枠にも入らないなんてことは、さすがにない。
問題は自民である。
自民には、3回前の芸術的な共倒れ経験があるため、ここ最近の自民は1人にしぼってきた。しかし今回は、定数増にあやかり、無党派層を獲得するために、新人の丸川珠代を出してきた。
しかし、よりによって、自民の大逆風。3回前の自民の得票は、小野62万、塚原45万で合計107万。1回前の中川は101万。逆風時の自民は100万強しかとれないようになっているらしい。もし保坂と丸川で、キッチリと票割りがなされてしまうと、ともに50万強にしかならず、後に述べる共産と川田に追いつかない可能性がある。
共倒れを防ぐためには、票割りを行わず、一方に票を集中させるしか方法はない。保坂陣営は、組織票を丸川から守ることに必死だが、無党派票は丸川に行くだろう。また、2人擁立により、組織内にも冷たい空気が漂っており、定数5といえども磐石ではない。
しかし一方で、自民系無党派の票は、自民への逆風で減少傾向にあり、組織にあまり頼れない丸川が議席を獲得するのは、かなり困難な状況にある。
この自民の状況については、以下の記事参照。
【決戦の現場 07参院選】(2)定数増で2人擁立 この他、議席を獲得する可能性のあるのは、共産の田村と無所属・川田。
共産は、3回前90万、2回前63万、1回前45万と、ギリ貧傾向。二大政党化への流れで、反自民票が、民主に吸い取られている感は否めない。田村は、観念的な左翼という感じで、ルックスも地味、正直、あまり良タマとは思えない。比例出馬経験はあっても、知名度が低く、共産支持層以外へアピールするものがない。
川田は、言わずとしれた、薬害エイズの川田龍平。組織票は無いが、知名度は抜群。市民運動臭が抜け、普通の政党立候補者的な雰囲気を醸し出している。彼のチラシを見る限り、広く無党派を獲得しようとする意思が見え、本気でとりにきている感じ。前回の青島的なポジションで、4位か5位につくことも可能。
以上をまとめると、
民主:鈴木○、大河原○
公明:山口○
自民:保坂△、丸川△--
共産:田村△-
無所属:川田△
民主の鈴木・大河原、公明の山口は当確で、残り2議席を自民の保坂、共産の田村、無所属・川田で争う感じ。上位5人を確定させるなら、
保坂、山口、鈴木、大河原、川田(自公民民無)。
====3人区====
3人区は、通常なら、自民・公明・民主が議席を分け合うところだが、自民の大逆風と民主2人擁立により、激戦となっている。今のところ、与党が確実に2議席とれそうなところはない。
【埼玉】
<候補者(太字は、多少なりとも当選の可能性がある候補者)>
自民党 :
古川俊治 民主党 :
山根隆治(現)、
行田邦子 公明党 :
高野博師(現) 社民党 : 松沢悦子
共産党 : 綾部澄子
国民新党: 沢田哲夫
<1回前(平成16年・定数3)>
824,127 島田智哉子 民新○
718,689 関口昌一 自現○
539,417 西田実仁 公新○
372,175 弓削勇人 民新
345,168 阿部幸代 共元
99,731 日森文尋 社新
<2回前(平成13年・定数3)>
704,496 佐藤泰三 自前○
562,370 高野博師 公前○
419,181 山根隆治 民新○
376,501 阿部幸代 共前
345,810 小宮山泰子 由新
126,000 早川忠孝 無新
108,237 天辰武夫 社新
<3回前(平成10年・定数3)>
637,041 浜田卓二郎 無前○
561,528 富樫練三 共新○
535,660 藤井俊男 民新○
402,849 関根則之 自現
338,066 栗原稔 自新
151,363 日森文尋 社新
3回前は、自民は芸術的共倒れにより自爆したが、ここ2回は自公民で議席を分け合ってきた。
自民も逆風下で70万票程度はとる力があるが、国民新党に票を奪われる可能性無しとはしない。タマの良し悪しも不明。年金の逆風もあり。しかし、60万程度はとるだろうから、落とすことは考えにくい。
民主は、前回も2候補擁立し、合計で120万近くの票を得ていたが、票が偏り、島田氏のみの当選となった。もし、票分割が上手くいっていたら、53万しかとっていない公明を抑えて2議席を獲得していたかもしれぬ。しかし、島田氏は、その前の補選で接戦に持ち込んだ良タマであり、民主という看板の他に、タマの力による票である側面も否定できない。
民主の現職、山根氏は、あまり無党派層は取り込めそうもないが、民社党出身なので、安全保障面での保守系は安心して入れられる。2回前は小泉ブームの下、42万票の辛勝だったが、2大政党化、自民の逆風、現職の強みで、更なる票の獲得は期待できる。一方、民主新人の向田氏は、無党派層の獲得がカギとなる。二人で120万票を獲得した上で、票の分割が可能ならば、2人当選も可能。
このように、民主が理想的に票を獲得した場合、割を食うのは公明である。過去の実績を見る限り、公明に60万票をとる力は無い。投票率の上昇も心配材料。
自民:古川○
公明:高野△
民主:山根△、行田△
強いて上位3人を確定させるなら、
古川、山根、行田(自民民)
【千葉】
<候補者(太字は、多少なりとも当選の可能性がある候補者)>
自民党 :
石井準一(公明推薦)、
白須賀貴樹(公明推薦) 民主党 :
長浜博行、
加賀谷健 社民党 : 青木和美
共産党 : 浅野史子
国民新党: 沢田哲夫
無所属 :
本間進(自民系)<1回前(平成16年・定数2)>
1,187,663 広中和歌子 民現○
944,231 椎名一保 自現○
288,072 浅野史子 共新
<2回前(平成13年・定数2)>
1,003,931 倉田寛之 自前○
374,197 今泉昭 民前○
364,248 岡島一正 自新
231,382 星野智子 無新
205,869 中嶋誠 共新
(以下略)
<3回前(平成10年・定数2)>
751,843 広中和歌子 無現○
730,643 井上裕 自現○
493,744 中嶋誠 共新
(以下略)
定数が2から3に増えるだけで、こんなにも顔ぶれが豊かになるんだな。
公明は出馬せず、自民2候補の応援に回る。民主からも2候補。他に自民系無所属が一人。3議席を、5人で争う構図。
千葉県は、郵政選挙を除けば、民主が強い。前回参院選は、公明の支援があっても、自民は勝てず、今回も同様の環境にあるのである。更には、自民は公認2人に非公認1人で、計3人に票が分散する。そう考えれば、2議席を取るのは民主のようだが、問題は票割り。現職の長浜氏は確定にしても、加賀谷のタマは未知数。県議会議員とはいうが、タマだけで考えるなら、自民に劣る気がする。
う〜ん。でも、やっぱり自民系3人のハンディはでかいし、民主の強い地盤である。やはり、民主が二議席とるのでは?
自民:石井△+、白須賀△-
民主:長浜○、加賀谷△
無所属:本間△--
強いて上位3人を確定させるなら、
石井、長浜、加賀谷(自民民)
【神奈川】
<候補者(太字は、多少なりとも当選の可能性がある候補者)>
自民党 :
小林温 公明党 :
松あきら 民主党 :
水戸将史、
牧山弘恵 社民党 : 和田茂
共産党 : 畑野君枝
国民新党: 斉藤幸子
諸派 : 溝口敏盛(維新政党・新風)
<1回前(平成16年・定数3)>
1,217,100 小泉昭男 自新○
856,504 浅尾慶一郎 民現○
843,759 千葉景子 民現○
397,660 畑野君枝 共現
254,943 上田恵子 社新
(以下略)
<2回前(平成13年・定数3)>
1,294,860 小林温 自新○
660,839 松あきら 公前○
595,812 斎藤勁 民前○
308,554 上田恵子 社新
307,005 太田正孝 由新
299,301 宗田裕之 共新
(以下略)
<3回前(平成10年・定数3)>
640,463 浅尾慶一郎 民新○
527,799 畑野君枝 共前○
510,371 千葉景子 民現○
502,712 弦念丸呈 無新
463,193 斉藤文夫 自現
298,244 阿部知子 社新
286,604 牧島功 自新
241,189 樋高剛 由新
(以下略)
う〜ん、最近の神奈川は与党が強いから、逆風さえなければ、自公民が議席を分け合っていたのだろうし、実際、そのような予測記事が多いが、どうなんだろう。
というのも、前回は、自民逆風で、民主が2議席とっている。ともに、80万票台半ば。一方で、公明の松あきらは、75万程度がよいところ(平成7年の松の得票も72万)。しかも、投票率が上がるほど、公明は不利。
民主の水戸は、県議出身。横浜市中田市長、松沢県知事が推している。一方の牧山は、補選に出たことで(惨敗したが)知名度は上がっている。牧山のほうが、無党派受けが良さそう。ただ、前回の現職・浅尾と千葉に比べれば、新人である点が弱い。票割りも問題か。
一方の自民。3回前に自民は共倒れの憂き目にあっているが、このときの合計は約75万。2回前は、現職の小林が小泉ブームで130万票を獲得、しかも公明の松とワンツーフィニッシュ。1回前は小泉昭男が120万とっているが、このときの公明立候補は無し。小林はそこそこのタマだし、小泉前首相のお膝元でもあるから、公明と票が分散しても、100万程度はとるような気がする。
自民:小林○
公明:松△
民主:牧山△、水戸△
強いて上位3人を確定させるなら、
小林、牧山、水戸(自民民)
まぁ、何とも言い難いものがあるが、何れにせよ、自1民1は確定で、残り1議席を民主と公明で争う感じ。
【愛知】
<候補者(太字は、多少なりとも当選の可能性がある候補者)>
自民党 :
鈴木政二(現) 公明党 :
山本保 民主党 :
谷岡くにこ、
大塚耕平(現) 社民党 : 平山良平
共産党 : 八田ひろ子
諸派 : 柘植雅二(維新政党・新風)、荒川厚太郎(共生新党)
無所属 : 兵藤高志
<1回前(平成16年・定数3)>
824,941 浅野勝人 自新○
742,882 佐藤泰介 民現○
672,450 木俣佳丈 民現○
417,587 八田広子 共現
(以下略)
<2回前(平成13年・定数3)>
973,298 鈴木政二 自前○
660,096 大塚耕平 民新○
499,987 山本保 公前○
277,549 斉藤愛子 共新
131,886 宮田正之 由新
81,297 佐護宗哲 社新
(以下略)
<3回前(平成10年・定数3)>
500,483 木俣佳丈 民新○
457,236 佐藤泰介 民新○
453,298 八田広子 共前○
443,904 大木浩 自現
411,357 浦野烋興 自新
218,403 都築譲 無現
158,998 杉本皓子 社新
(以下略)
前回は民主が2議席獲得しているが、与党が1人しか候補を出していないんだから、とって当たり前だった。与党から自公で2人出る今回のほうが、色々面白い。
しかし、自公の選挙協力は進んでいない、という(
ソース)。しかも与党への大逆風。民主王国と呼ばれる愛知で、与党が2議席とるのは難しいと言わざるを得ない。
もし与党が落とすとしたら、公明だと言われている。6年前、山本氏は50万票しか獲得できていない。12年前は70万票とったといっても、このときは新進党だった。
一方で3年前の民主は、合計で140万票もとっている。今回も同程度までいきそう。票割りさえ上手くいけば、民主が2議席いく可能性は高い。
自民:鈴木△+
公明:山本△-
民主:大塚○、谷岡△-
強いて上位3人を確定させるなら、
鈴木、大塚、谷岡(自民民)
【大阪】
<候補者(太字は、多少なりとも当選の可能性がある候補者)>
自民党 :
谷川秀善(現) 公明党 :
白浜一良 民主党 :
梅村聡 社民党 : 服部良一
共産党 :
宮本岳志 国民新党: 白石純子
無所属 : 上田剛史、林省之介、大谷義夫
<1回前(平成16年・定数3)>
910,597 尾立源幸 民新○
795,256 山下栄一 公現○
735,164 北川一成 自新○
718,125 辻元清美 自現×
442,755 宮本岳志 共現×
(以下略)
<2回前(平成13年・定数3)>
982,887 谷川秀善 自前○
864,154 白浜一良 公新○
602,312 山本孝史 民前○
594,063 山下芳生 共新
195,508 渡辺義彦 由新
(以下略)
<3回前(平成10年・定数3)>
1,057,393 西川きよし 無新○
872,294 山下栄一 公新○
725,385 宮本岳志 共前○
573,610 坪井一宇 自現
542,581 中務正裕 民新
116,552 長崎由美子 社新
(以下略)
大阪における公明は、常に安定した得票で、確実に議席は見込める。一人に絞った民主も当確。問題は3議席目。
順当に考えれば、自民の谷川なのだが、大阪は伝統的に自民が弱く、しかも前回に輪をかけた大逆風状態、谷川自身の高齡もあり、磐石ではない。
一方で、共産の宮本は元職でタマは悪くないのだが、2大政党化の流れで、72万→60万→44万とジリ貧状態。かつてほどの力があれば共産が当確なのだが、厳しい選挙戦になりそう。結局、谷川が逃げ切るのではないか。
自民:谷川△+
公明:白浜○
民主:梅村○
共産:宮本△-
強いて上位3人を確定させるなら、
谷川、白浜、梅村(自公民)
これまでの予想をまとめると、
埼玉 : 自民民
千葉 : 自民民
東京 : 自公民民無
神奈川: 自民民
愛知 : 自民民
大阪 : 自公民
自民6、公明2、民主11、無所属1
となる。
テーマ:政治・地方自治・選挙 - ジャンル:政治・経済
2007年07月17日(火) | 03:09:13 | トラックバック(0) | 政治