参議院選挙・選挙区の獲得議席数予想(1人区・東北/関東)

 これまで、参議院選挙の予想をツラツラと連ねてきたが、とうとう、1人区である。

 0か1、デジタルな世界の1人区、予想は極めて難しい。しかも、風がある一線を超えると、ことごとく、一方的な展開になってしまうのだから、始末に終えない。そして、この風の強さを見極めるのが困難なため、「まさか、こんなに取らないだろう」と思ってたら大勝ちしたり、逆に大勝ちを予想してたら、風の強さはさほどでなかったりと、予想を大外ししやすい(郵政選挙で分かりますね)。

 ま、私もどこまで見極めることができるかは分からないが、ともかくやってみる。

 以下、総論。


  1. 現在、優勢となっている候補は、そのまま当選する可能性が高い。民主候補は、順風に乗ってそのまま当選するし、自民候補も、それほど逆風の影響を受けていない、と考えられるからだ。

  2. 「一歩リード」となっている民主候補も、終盤に無党派がなだれ込んで当選するだろう。残念ながら、現在の自民には、このような無党派なだれ込みは全く期待できないのである。

  3. 現状、「激しくせりあっている」「横一線」などの表現がなされた選挙区も、同様の理屈で、民主候補のほうが多くとるとみる。ただ、自民が自らの支持層を固めきれてない選挙区において、支持層を固めきれば、当選ラインに届くところもある。

  4. 読みにくいのは、自民が「一歩リード」となっているところである。「一歩リードならよいではないか」と簡単に割り切れない。というのも、通常なら「優勢」でなくてはならないところ、情勢が悪くなって「一歩リード」となっているケースが多いからだ。



 なお、読売と朝日には、各選挙区情勢が詳しく載っている。本blogでも参考にしていくので、ここで紹介する。

 読売1  読売2  朝日


====1人区・東北====

 いかにも農村部的なイメージのある東北だが、これまで、あまり東北の自民は強くなかった。岩手の小沢氏の影響なんだろうか。東北の1人区は、民主が独占しそうな勢い。

【青森】

<候補者(太字は、多少なりとも当選の可能性がある候補者)>
 自民党 : 山崎力(現)
 民主党 : 平山幸司
 社民党 : 渡辺英彦
 共産党 : 高柳博明

<過去の上位2候補>
 1回前(平成16年):民主○、自民
 2回前(平成13年):自民○、無所属
 3回前(平成10年):無所属○、自民
 4回前(平成07年):新進○、自民
 5回前(平成04年):自民○、無所属



<読売>
山崎、平山が横一線

 3選を目指す山崎と新人の平山が横一線で激しく競り合う。山崎は自民衆院議員や県議、有力首長らの支援・支持を得て組織票をまとめ、自民支持層の7割近くの支持を固め、公明支持層の大半の支持を得ている。

 平山は年金問題の追い風を背景に、民主支持層の7割超を固めた。知名度不足を補うため、「民主」の看板を前面に打ち出す。

 無党派層の約7割が投票する候補を決めていないため、無党派層の取り込みが勝負の分かれ目になりそうだ。

<朝日>
 山崎と平山が競り合っている。渡辺、高柳は出遅れている。

 小泉前首相の人気もあり01年参院選で圧勝した山崎は今回一転した逆風のなかで、組織固めに懸命だ。自民支持層の8割をまとめたが、公明支持層には浸透し切れていない。70歳以上で支持が高く、30代で低い。

 初の立候補で、知名度不足の平山は民主党国会議員とともに県内を精力的に回る。民主支持層の9割近くをまとめ、無党派層の4割にも浸透している。山崎とは逆に30代で支持が多く、70歳以上で少ない。

 渡辺は社民支持層をほぼ固め、公明支持層の一部にも浸透しているが、無党派層への食い込みが弱い。高柳は共産支持層をまとめたが、広がりが見られない。

 世論の風向きで、コロコロと当選者が入れ替わる選挙区。過去の傾向からいくと、民主の当選の確率が高い。また、民主は支持層固めも順調で、無党派にもかなり食い込む。が、社民と若干票割れするところがやや懸念材料で、東北で民主が落とすとすれば、ここである。

 ここの自民は、比較的、支持層固めが上手くいっているほう。ただ、無党派の動きが鈍いので伸びしろがあまりなく、現時点で接戦なら、当選は難しい。また、公明の動向が両紙で全く異なっているのが気になるところ。


【岩手】

<候補者(太字は、多少なりとも当選の可能性がある候補者)>
 自民党 : 千田勝一郎
 民主党 : 平野達男
 社民党 : 伊沢昌弘
 共産党 : 若山明夫

<過去の上位2候補>
 1回前(平成16年):民主○、自民
 2回前(平成13年):自由○、自民
 3回前(平成10年):無所属○、無所属(与党系)
 4回前(平成07年):新進○、無所属
 5回前(平成04年):自民○、連合の会

 「民主王国」という例えは適切ではない。「小沢王国」である。今回も民主当選なことは、読売、朝日の記事を俟つまでもない。それにしても、自民の候補者さん、ご苦労さま。

【秋田】

<候補者(太字は、多少なりとも当選の可能性がある候補者)>
 自民党 : 金田勝年(現)
 無所属 : 松浦大悟(民社推薦)
 共産党 : 鈴木知

<過去の上位2候補>
 1回前(平成16年):無所属○、自民
 2回前(平成13年):自民○、民主
 3回前(平成10年):自民○、民主
 4回前(平成07年):自民○、社会
 5回前(平成04年):自民○、連合の会



<読売>
松浦、金田小差競る

 松浦と金田が小差でしのぎを削り、予断を許さない。松浦は推薦を受けた民主、社民と連合秋田の傘下組織が支持基盤となっており、民主支持層の7割強をまとめている。金田は自民支持層の7割強を固めた。ただ、年金問題などの影響は少なくなく、同党県議23人をてこに票固めに躍起になっている。無党派層の支持獲得をめぐる争いが激しくなりそうだ。

<朝日>
 松浦がリードしており、金田が懸命に追い上げている。鈴木は苦しい。

 元アナウンサーの松浦は知名度を生かして若さをアピールし、民主支持層の9割、社民支持層も大半を固めた。無党派層の6割以上にも浸透している。男性の支持が比較的多めだ。高齢層でやや支持が薄めになっている傾向はあるが、各年代にほぼ浸透している。

 3選を目指す金田は自民支持層の9割近くを固め、公明支持層にも支持を広げた。しかし、無党派層への浸透は3割程度にとどまっている。製造・サービス従事者層で、松浦に水をあけられている。

 2回前まで自民が強かったのに、前回、急速に野党に浸食された選挙区。現時点で、野党系無所属がリードしているなら、もう彼で決まりだろう。


【山形】

<候補者(太字は、多少なりとも当選の可能性がある候補者)>
 自民党 : 篠原みえ子
 民主党 : 舟山康江
 共産党 : 佐藤雅之

<過去の上位2候補>
 1回前(平成16年):自民279349○、民主243672
 2回前(平成13年):自民311946○、無所属218815
 3回前(平成10年):自民299098○、民主107607
 4回前(平成07年):無所属(与党系)237580○、無所属155130
 5回前(平成04年):自民323722○、連合の会



<読売>
舟山ややリード

 舟山がややリードし、篠原が激しく追い上げる展開となっている。舟山は、民主支持層の9割近くを固めたほか、無党派層からも3割超の支持を得ている。農村部での保守層切り崩しを図りつつある。篠原は自民の国会議員5人と県議30人が後援会や支持団体を引き締め、出遅れ挽回(ばんかい)に躍起。知名度不足もあり、無党派層への浸透は遅れている。

<朝日>
 舟山が他候補を引き離し、優位な戦い。篠原は懸命に追い上げている。佐藤は伸び悩んでいる。

 舟山は民主支持層のほとんどを固めた。候補者擁立を見送り県組織が支持に回った社民の支持層にも浸透している。全体の約4割を占める無党派層でも6割の支持を集めて優位に立つ。男性からの支持が高い。職業別では、事務・技術職層に浸透している。

 篠原は立候補表明が4月下旬と出遅れた。自民支持層の約8割を固めたものの、無党派層への浸透は2割と舟山に水をあけられている。女性の支持は舟山と並び、70歳以上では上回っている。

 山形の過去の結果は得票数も載せた。これまで山形は自民王国で、平成10年の自民惨敗の年も、山形は余裕で自民当選。しかし、前回は3万6千票差の薄氷の勝利。このときの民主候補が、今回も出馬しており、前回の落選が今回に生きている。

 あと、自民候補のタマも悪い。一瞬、女性党か?と思ったくらい。女の戦いになれば、民主候補に利がある。ほぼ間違い無く、民主の勝ち。



====1人区・関東====

 栃木と群馬で、定数が2から1になったのが目立つ。群馬の自民王国ぶりは相変わらずだが、栃木では、現職2候補による激戦。山梨では民主がとりそう。東京が近いという共通項があるにも拘わらず、選挙区によって事情がかなり異なる。


【栃木】

<候補者(太字は、多少なりとも当選の可能性がある候補者)>
 自民党 : 国井正幸(現)
 民主党 : 谷博之(現)
 共産党 : 小池一徳

<過去の上位2候補>
 1回前(平成16年):民主○、自民○
 2回前(平成13年):自民○、民主○
 3回前(平成10年):民主○、自民
 4回前(平成07年):自民○、連合の会
 5回前(平成04年):自民○、自民○



<読売>
両現職が激戦

 定数削減で改選定数が1となり、谷と国井の両現職が激しく競り合っている。無党派層の6割超がまだ態度を決めておらず、予断を許さない状況だ。谷は都市部を中心に支持を拡大する一方、党の公約である農家の戸別所得補償制度を強調し、農村部への浸透も図っている。

 国井は、安倍首相らの応援も受けて政権与党の実行力をアピールしている。農協を中心とした組織の引き締めを図り、公明との選挙協力にも力を入れるが、自民支持層の6割超、公明支持層の半数ほどを固めるにとどまっている。

<朝日>
 改選数減で1になった議席をめぐる争いで、谷が優位に立ち、国井が懸命に追い上げる。小池は苦戦。

 再選を狙う谷は民主支持層の9割を固めた。無党派層からは7割近い支持を集め、国井を引き離す。事務・技術職層や製造・サービス従事者層の7割近い支持を得て、有権者の多い県央で支持が比較的高い。

 3選を目指す国井は自民支持層の8割、公明支持層の大半を固め、農政通らしく農林漁業者層の7割近くをつかんだ。男性よりも女性の支持が多く、70歳以上の支持が厚い。

 前回まで2人区だったが、今回は現職が1議席をかけて争う。

 2人区は一般に無風区ではあるが、かつての結果をみると、参考になることは多い。平成4年、村山真弓がいた頃は、自民が2議席独占。しかし以降は、世論の風向きによって、トップが入れ替わっており、必ずしも自民が強いとは言えなくなっている。

 朝日では民主優位、読売では「激しく競り合う」。どっちなんだー。
 
 ただ、現時点で競り合っていたとしても、伸びしろは民主のほうにありそうだから、やっぱり民主当選だろう。



【群馬】

<候補者(太字は、多少なりとも当選の可能性がある候補者)>
 自民党 : 山本一太(現)
 国民新党: 福田晃治
 共産党 : 酒井宏明

<過去の上位2候補>
 1回前(平成16年):民主○、自民○
 2回前(平成13年):自民○、民主○
 3回前(平成10年):自民○、自民○
 4回前(平成07年):自民○、社会○
 5回前(平成04年):自民○、自民○




<読売>
山本に安定感

 定数削減で改選定数が1になった。01年にトップ当選だった山本が安定感を増している。県連が組織を動員する知事選(22日投開票)とは一線を画し、知名度の高さを生かした非動員型の街頭活動で、各年齢層から幅広い支持を獲得している。自民支持層の7割超を固めた。民主支持層の一部にも浸透している。福田は、非自民・非共産勢力の結集を図る。知名度不足や、推薦を受けた民主の県連が事実上、分裂状態にあることも影響し、民主支持層の3割しか固められていない。

<朝日>
 山本が安定した戦いぶりでリード、福田、酒井は伸び悩んでいる。

 改選数1減で、自民はこれまで2人だった候補を一本化。山本は自民、公明各支持層のほとんどを固めた。メディア露出の多さに加え小規模な街頭集会を繰り返し、無党派層からも6割の支持を集めている。

 年金問題で与党批判を強める福田は、引退する角田義一の後継を立てず推薦に回った民主支持層の半分を固めた。20代、50代で一定の支持を得ているものの、支持が広がっていない。

 ここも2人区が1人区になったのだが、栃木ほどヒートアップはしていない。民主の角田が出馬しないこと、国民新党のインパクトが弱いこと、あと山本自身の知名度によるところが大きいのであろう。

 まぁ、何はともあれ、群馬は自民。ただ、前回、民主にトップ当選を許しており、かつて2議席独占していた時代に比べると、自民の力も弱まったな、という気はする。


【山梨】

<候補者(太字は、多少なりとも当選の可能性がある候補者)>
 自民党 : 入倉要
 民主党 : 米長はるのぶ
 共産党 : 花田仁

<過去の上位2候補>
 1回前(平成16年):民主○、無所属(与党系)
 2回前(平成13年):自民○、民主
 3回前(平成10年):無所属○、自民
 4回前(平成07年):自民○、新進
 5回前(平成04年):自民○、連合の会




<読売>
米長の支持広がる

 米長が先行し、入倉が追いかける展開となっている。米長は、民主支持層の8割を固めたほか、自民支持層の一部にも食い込む。地縁が薄い弱点を叔父で日本将棋連盟会長の米長邦雄氏の応援や元々自民支持の経済人を後援会長に据えて補い、街頭演説などで知名度アップを図っている。入倉は、中島真人参院議員の後継者として今年3月に公認決定。自民支持層の6割を固めたが、陣営には05年の郵政解散を巡り県連内が「造反組」と「刺客組」に分かれたしこりも残っており、組織の引き締めに躍起になっている。

<朝日>
 米長がリードし、入倉が懸命に追い上げている。花田は伸び悩んでいる。

 連合系労組から全面的な支援を受ける米長は、年金問題を重点的に訴え、民主支持層の9割を固め、社民支持層にも浸透している。無党派層の支持は6割近い。各年代でまんべんなく支持を得ており、職業別では事務・技術職層の支持が6割と高い。

 入倉は自民支持層の8割、推薦を受けた公明支持層の大半を固めたが、無党派層の支持で米長に水をあけられている。農林漁業者層の支持は厚いが、地盤の甲府市などでも伸び悩んでいる。

 国政4度目の挑戦となる花田は、共産支持層の大部分を固めたが、支持が広がっていない。

 山梨は、郵政選挙で造反組が出たところで、組織がガタガタになっている。それでも順風状態なら、何だかんだで結束しただろうが、逆風ではねぇ。

 自民は、こんな感じだから、かなり候補の擁立に揉めたようで(ソース)、出遅れが目立ち、民主に先行を許してしまった。どこが勝つかは、書かないでも分かりますね?

 ちなみに過去の傾向だが、かつては自民がそこそこ強かったが、やはり最近は、世論の風向きによって、勝ったり負けたりしている。


テーマ:参院選 - ジャンル:政治・経済

2007年07月20日(金) | 23:55:33 | トラックバック(0) | 政治

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