最近、平日の昼間、家にいることが多いもんで(代わりに夜間とか休日が仕事)、ワイドショー、テレビショッピング(ジャパネットたかたがお気に入り)、地域局のアニメ再放送(トムソーヤの冒険とハクション大魔王)などをよく見ます。
この前、ハクション大魔王に洗濯機が出てきましたが、これが相当な時代モノ。そこには脱水のためのローラーがついておりました。このローラーで脱水すると、せっかく洗った衣類がシワシワになり、もう一度洗濯しなくてはならなくなるんだよ、と懐かしく私に語ってくれた女性もいました。
いつごろ洗濯機って生まれたのかな? 昔の洗濯機には、今から考えるとちょっとおもしろいものが取り付けられていたんだよ。2本のローラーで洗濯物をはさんで、ぎゅーっと水を絞(しぼ)るんだ。ハンドルを回すとローラーが回る仕組みで、結構力がいったんだけど、当時は随分(ずいぶん)便利だと評判(ひょうばん)だった。
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ハクション大魔王という漫画が、結構古い時代のものであることが、この洗濯機から分かるのですが、たとい機種としては古いものでも、カンちゃんの家に当たり前のように存在していることから、高度経済成長時代を遡らないことも分かるのです。
wikipediaによれば、ハクション大魔王は、1969年10月5日から1970年9月27日まで(昭和44〜45年)の放映だそうです。私が子供の頃見ていたのは再放送だったもよう。ものすごい大人気アニメというわけでもないのに、地味に再放送が繰り返されたのは何故だろう?
ハクション大魔王の話になってしまったが、これは本題ではない。今、最もワイドショーでアツいネタ。それは、あの「時津風問題」である。このネタは、6月くらいから存在しており、報道もされていた。遺体には「根性焼き」の跡があったといい、単なる病死とは思えないので、私は結構注目していた。しかし、当時は新聞の片隅にちょっと乗ったくらいで、早々に世間からは忘れられてしまった。
この話題が再び盛り上がるのは、父親が悲痛なる記者会見をして以降だろう。それまでの間、死者の家族が行政解剖を依頼したり、親方からアクセスがあったりして、材料は揃っていた。そして、それらの材料をもとに、序の口力士一人の死亡とは思えないほど、世論はヒートアップ。とうとう時津風親方は解雇となった。
時津風部屋はいうまでもなく、不世出の大横綱・双葉山が現役時代に開いた「双葉山道場」が、直接のルーツである。現時津風親方は、元双津竜。この四股名は、双葉山から一字をとったものであろう。
私は、最近相撲を見ていないけど、以前は結構好きで、様々な力士伝を読んでいた。なかでも、最も感銘をうけ、個人的に最強と思った力士が双葉山である(※)。だから、今回の騒動のような形で、時津風の名に傷がついてしまう(下手すると部屋廃絶)ことは、まことに残念でならない。
※江戸明治には双葉山を上回る勝率9割の力士がゴロゴロいた。しかし、当時は、優勝制度が無く、分け預かりで勝負がつかぬ土俵も多かった。そんな牧歌的時代にある彼らが、勝負にシビアで、実力伯仲の中を勝ち抜いてきた昭和以降の力士に勝てるとは思えない。大正の太刀山・栃木山くらいなら、双葉山より強い可能性も大きいが。
金属バット。竹刀は、もともと人間を叩くために作られているから比較的安全だし、気合を入れるには、ある程度必要なものだろう。しかし金属バットは、野球の硬い球を叩くために作られたものであり、人間を叩くことは想定されていない。
そういう危険なものが部屋にあったのは、一体、何故なのだろうか。当blogの読者で、どれくらいの人が、金属バットを自宅に備えているだろうか。本人or子供が野球をやっているのでない限り、金属バットが、家にある蓋然性は極めて低いのではなかろうか。もし時津風部屋に、金属バットだけがあって、グローブや球が無いというのなら、その金属バットは、野球以外の用途を目的としている、と思われても仕方があるまい。
現・時津風親方は、自分は「死ぬほどの暴行は加えていない」といって、必死に釈明していた。その釈明が嘘だと、警察ならぬ素人が証明するのは難しい。しかし、「何故、部屋に金属バットがあったのか」という根本的な疑問に明確な答えが与えられない限り、時津風親方の言うことは信用されないないだろう。何せ、ビール瓶の件で、一度ごまかしているのだから。
さて、現役力士の死亡は、当然のことながら今回がはじめてではない。時津風部屋以外にも例があり、多くは未成年である。
昭和62年以降・現役で死亡した力士
死亡年月/四股名/年齢/部屋/最高位/死因
S62・4/若鬼竜/16/時津風/三段目/虚血性心不全 元・10/榎田/18/高砂/序二段/急性白血病 2・2/龍興山/22/出羽海/前頭5/虚血性心不全 2・7/近村/19/九重/序二段/急性心不全
4・2/大威力/18/朝日山/序二段/心不全 4・3/琴干場/24/佐渡ヶ嶽/三段目/肥大型心筋症 4・7/魁士/15/放駒/序ノ口/心筋梗塞
8・10/若藤光/25/宮城野/三段目/心不全 10・3/剣晃/30/高田川/小結/肺出血 15・7/前田/15/北の湖/序ノ口/拡張性心筋症
16・8/吉村/17/田子ノ浦/三段目/多臓器不全 16・10/中渕/32/貴乃花/幕下/虚血性心不全 19・6/時太山/17/時津風/序ノ口/急性心不全
※注 これは、あるワイドショーで示された図表をテキストに起こしたもの。テキスト自体はネットからとってきたものだが、私は、ソースのワイドショーを見て確認している。
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しかし、これまで、現役力士の死亡というものは、あまり大きく取り扱われてこなかった(昭和40年代の玉の海のような大力士は別として)。今回、序の口力士の死亡が、ここまで話が大きくなったのは、あまりに遺体の傷跡がすさまじく、スキャンダルの様相を帯びてきたからであろう。
しかし、死因が、暴行ではなく、ただの「厳しい稽古」であったとしても、現役力士、特に一人前とはみなされない幕下以下の力士が死ぬことを、そんなに軽く扱ってもよいのかな、という気がする。
テレビを見ていると、多くの人は、「けいこの範囲を逸脱した暴力だからいけない」と言う。しかし、けいこだろうが暴行だろうが、「親方の管理のもとで亡くなった」という構造には変わりがない。自分で稽古の裁量を持てる関取は別にして、幕下以下、特に序二段・序の口あたりは、体もまだ出来上がっていないなか、親方や兄弟子に言われるがままの稽古をするしかない。そういう状況で、弟子が死んだとなれば、親方の責任はもっと問われてしかるべきなのではないか(交通事故などは別だが)。例えば、高校野球で、部員が過酷な練習で一人でも死亡した、となれば、そこに暴行が加わっていなくとも、学校や顧問の責任が、問われるに違いない。
それに、死亡率も異常である。老人ホームじゃあるまいし、千人足らずの若者集団が、上で挙げたような割合で死亡しているのである。読者の方は、御自分が通っていた高校を思い出されるとよい。どこの世界に、1〜2年に一人のペースで、生徒が病死する高校があるというのか。
結局、角界は「相撲という厳しい世界だから、死者が出るのは仕方が無い」と何となく思ってしまっているのではなかろうか。体重百キロ超の格闘技をする人間達の集団であるから、本当は通常のスポーツ以上に、生命や健康の維持管理が大切なのにも関わらず、そこら辺は、部屋や親方任せになってしまっているのではないだろうか?
もちろん、力士の生命管理・健康管理をちゃんと行っている部屋も多いだろう。しかし、時津風部屋のような部屋もある。そして全体的には、力士の生命を守ることに対し無頓着な雰囲気があると思う(でなければ、3人が連続して亡くなった平成元〜2年、平成4年、平成15〜16年あたりに、協会で問題にされるはず)。
そういう雰囲気があるからこそ、厳しさと暴行を勘違いする者も出てくる。彼らが暴走した場合、そこに歯止めがかからなくて、死者が出ることもありえる。そこまでいかなくとも、あまり健康管理に気を遣わない状態で、稽古を厳しくしすぎ、ある日死んでしまう。厳しさと暴行は別物ではなく、連続したもの、あるいは突然変異などと捉えたほうがよいと思う。
今後、相撲協会は、部屋における暴行を根絶する努力をするのは当然にしても、もっと「力士の生命を守る」という視点を持って欲しいものだ。体重百キロの格闘技をする人間の健康診断が、年2回では少なすぎる。公のものだけでも場所ごとに行い、体調が悪い者は本場所には出さない。また、各部屋は、かかりつけの医師と綿密に意思疎通を行い、特に新弟子と30歳以上は、毎週のように診断を行い、身体に過剰な負担がかかっていないかチェック。土俵の構造も、怪我がしにくくなるよう見直す。稽古のあり方、そして「厳しさ」というものを見直し、精神論的なものは排除する。
ありきたりの結論になってしまうのかもしれないが、力士の健康や生命というものは、決して部屋や親方任せにせず、協会が主体的に取り組んで欲しいものである。
2007年10月06日(土) | 14:14:36 | トラックバック(0) | 社会