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社保庁が大崎市元職員を告発


社保庁が大崎市元職員を告発 年金横領問題
 自治体職員による年金横領・着服問題で、社会保険庁は12日午後、国民年金保険料約28万円を着服して懲戒免職された宮城県大崎市の元職員を、業務上横領容疑で宮城県警に刑事告発し、その場で受理された。社保庁が市町村職員の保険料着服を告発するのは初めて。宮城社会保険事務局長名で告発した。

年金着服:旧田尻町職員保険料着服 「当時社保庁と協議」不告発で市長が会見 /宮城
 国民年金保険料28万円余を着服した旧田尻町の元職員を刑事告発しない方針を決めた大崎市の伊藤康志市長は10日の定例会見で、同町が告発しないと決めた01年当時、「社会保険庁側と十分に協議、相談した。同庁は当時の資料を掌握しているはずだ」と述べた。その上で、自治体に代わり告発の準備をしている社保庁から当時の資料提供などの具体的な協力・相談があれば、その時点で対応したいと述べた。

 社保庁は舛添要一厚生労働相から告発するよう指示を受け、宮城社会保険事務局の辺見聡局長が9日、同市長を訪問し、必要な協力を求めるあいさつを行っている。同市長は同厚労相との一連の騒動について「自治体の出した(告発しないとの)判断に冷静な検討をいただきたかった。(市の方針に)聞く耳を持たずという対応をするのなら、(当初から)国が直接告発すべきだった。『自治侵害』の不快感を持たざるを得ない」と述べた。
年金着服 舛添厚労相と自治体が対立 総務相は困惑
 年金保険料の着服問題をめぐり舛添要一厚生労働相と自治体の間がぎくしゃくしている。舛添氏は社会保険庁長官に自治体の着服職員の告発を指示するなど強い姿勢で臨んでいるが、「市町村は社会保険庁より信用ならない」との同氏発言をきっかけに地方には感情的反発が広がっている。板ばさみとなった増田寛也総務相も困惑を隠せずにいる。

 市長の気持ちはわかる。着服者発生時に、社会保険庁と協議した上で、不告発を決めたのに、今頃「告発しろ」というのは、ものすごく納得いかないのだろう。多分、自分が市長の立場だったら、同様に考えたと思う。

 また、一方の社会保険庁にも、しょうもない職員がいて、「市町村のほうが信用ならない」というのは掛け値がある。舛添さんも言い過ぎといえば、言い過ぎなのだ。

 ただし、トータルで言えば、私は、舛添大臣のほうを支持するし、市町村の認識は、やはり甘過ぎると思う。当時告発しなかったのは仕方無い部分もあり、とりたててこれを責めるつもりはないが、様々な問題が知られるようになった今になってもなお、告発しないのは問題だ。



 着服の件について、今、何が求められているか。それは当然、「再発防止」である。その具体策の一つとして、厳罰化がある。ドロボーに対してナアナアにせず、きちんと刑事告発をすることは、概ね、国民の理解を得られているものと思う。

 問題は、「その刑事告発を、過去の例に遡って行うべきかどうか」だが、これもやはり行うべきだろう。勿論、過去の事件といったって、法律上の限界がある。新たに法律を作って、無制限に過去の事件を告発することなどできっこない。ただ、今出来ることに関しては極力行うべき、というムードにはなっている。今出来ることを行わないで「今後は刑事告発しますよ」では信用されない。全ての案件に対しナアナアにしないのがあるべき姿なのだから、過去の事件も可能な限り、ナアナアにしないことが求められるのだ。

 しかし市町村の多くは拒否している。市町村が一旦不告発を決め、独自の制裁を課したからって、それを翻して告発に踏み切るのは、法律上可能だし(ていうか、法律には告発する"義務"が書かれているらしい)、技術的にも困難ではなく、国民からも求められている。

 にも関わらず、それをやらないのは、色々と理屈はつけていても、結局は市町村側の面子なのだと思う。しかも、市町村民レベルの面子ではない。あくまで公務員内部(市長や議員を含む)に閉じた面子だ。一旦下した処分に対し、得体の知れぬニュー大臣のパフォーマンスで、それを変更するのは面白くない、というのが本音なのであろう。また告発することにより、そこから直接発生する手間暇、全国規模で報道されることのダメージ、職員に対するスタンスの変更、場合によっては年金以外の着服の発覚など、様々な面で面倒が生じかねない。こういうのも避けたいのであろう。


 ただ、着服者は当の市町村の職員であり、結局は市町村の責任なのだから、後でどのように扱われようと、「自治侵害」などと面子丸出しの言い分が通用する立場ではない。

 市町村は社会保険庁と摺り合わせをしたというが、残念ながら、そんなこと、新任の異色の大臣にとっては知ったこっちゃないだろうし、国民の多くにとっても同様。現在の社会保険庁がしっかりしているかどうかは分からないが、少なくとも大臣はルーズさから脱却しようと、はりきってはいる。「当時の"ルーズな社会保険庁"との協議」よりも、「現在の"ルーズさから脱却しようとしている社会保険庁"の方針」のほうが、優先さるべきなのは明らか。結局、「当時の"ルーズな社会保険庁"との協議」など、倒産した会社の株券のようなもので、現在は全く無価値になっているのである。

 また、ここで、大臣が市町村の言い分を呑んで、「そうでした。当時、社会保険庁と市町村が協議したんでしたね」なんて感じで納得してしまったら、大臣の人の良さは証明できるが、今後の改革については、何にも期待できなくなってしまう。舛添大臣みたいに、挑発的な言い方をするのが良いかは別にして、この程度の不平不満などシカトして先に進めるくらいでなければ、社会保険庁改革など、絵に描いた餅に終わる。

 更にいえば、だ。省庁の方針なんて、大臣次第で変わることがあって当然なのである。でなければ、もし「政権交代」が起こった場合も、行政の方針を変えることができず、その意味合いが無くなってしまう。今回は政党間の政権交代ではないが、大臣が変わったし、年金行政の環境も当時とは全く異なっているのだから、やはり方針の転換があって然るべき。過去の問題の対応について変更が求められることも、考慮に入れなければならない。

 大臣が変わっても方針が変わらないほうが、市町村にとってはやりやすいのは事実だろう。しかし、そのような現場任せのあり方が、行政の緊張感を揺るがした、という反省がある。舛添大臣みたいに、無用に相手の神経を逆撫でするようなやり方は賛否あるにしても、基本的に対立を恐れるべきではないね。

 いくら大臣が市町村に喧嘩を売ったところで、市町村側には何も武器は無い。大臣に抗議するのが関の山で、「もう保険料は集めません」なんて、実力行使などできっこない。市町村側に同情的な意見なんて一握り。どんどん対立すればよい。トップさえ強く出れば、技術的な障害が無い限り、下は動かざるを得ないのだから。あの相撲協会でさえ、ね。

 読売の社説。
 年金横領告発 甘い処分の総点検が必要だ
 この社説に100%同意する。




 今、舛添大臣は、当時の社会保険庁や市町村の職員を攻撃して得点を稼いでいるが、今年5〜6月、安倍首相をはじめとする自民党・公明党は、菅直人元厚生大臣を攻撃して、ブーイングを喰らった。過去の他人を攻撃しているのは同じなのに、評価が逆になっているのはどういうことだろう。

 「過去の他人を攻撃する」こと自体は、悪いことではない。首相や大臣本人に直接責任は無いんだし、もしこれが許されないとなると、(先にも言ったが)政権交代など絵に描いた餅になってしまう。

 だから、「過去の他人を攻撃した」そのこと自体は問題でないのである。ただ、安倍首相は、どこか勘所を外していた。それは何だろうか? 以下、考え中。



2007年10月12日(金) | 23:32:04 | トラックバック(0) | 時事問題

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Author:あいふる
30代、男、一応社会人

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